進行の段階に応じた治療の流れと、自宅でできるケアの話
こんにちは。福岡市早良区有田・次郎丸エリアの歯医者「次郎丸デンタルクリニック」院長の木村健吾です。
診療の中で、こんなご相談をよく受けます。
「歯周病って、結局どうやって治すんですか?」
「もうけっこう進んでるって言われたけど、間に合いますか?」
歯周病は、進行の段階によって治療内容が変わってきます。
でも安心してください。早めに取り組めば、進行を止めることも可能なんです。
今日は、歯周病の治療を3つのステップに分けて、できるだけわかりやすくお話しします。
◆ ステップ①:まずは基本の治療から(初期段階のケア)
最初に大切なのは、歯ぐきの炎症を起こしている**原因=細菌のかたまり(プラークや歯石)**を取り除くことです。
● 歯磨きの仕方を見直すところから
歯周病の治療は、おうちでのケアがベースになります。
当院では、歯科衛生士が歯ブラシやフロス、歯間ブラシの正しい使い方を丁寧にアドバイスしています。
「え、そんなところまで磨くの?」と驚かれることもありますが、コツをつかむと意外と簡単なんですよ。
● 歯石の除去(スケーリング・ルートプレーニング)
歯ブラシでは取れない、硬くなった歯石は専用の器具で取り除く必要があります。
歯ぐきの奥深くに入り込んだ汚れまでしっかり掃除すると、腫れや出血がスーッと治まってくる方が多いです。
● 薬用のうがい薬(洗口液)の活用も
細菌の活動を抑えるために、薬用の洗口液(クロルヘキシジンなど)を使うこともあります。
ただ、これはあくまでも補助的なもの。**基本は「ていねいな歯磨き」と「歯石取り」**です。
◆ ステップ②:症状が強いときは外科的な処置も
「だいぶ進んでますね」と言われた方でも、あきらめる必要はありません。
歯ぐきの中にある歯石や感染した組織を取り除くために、外科的な治療を行う場合があります。
● フラップ手術(深い部分の汚れをきれいに)
歯ぐきをそっと開いて、中を直接見ながら深部の汚れや炎症をしっかり除去します。
終わったあと、「歯ぐきが引き締まってスッキリした」と感じる方も多いです。
● 歯ぐきや骨の再生を目指す治療
重度の歯周病で骨や歯ぐきが失われてしまっている場合には、再生を促す治療を行うこともあります。
たとえば…
• エムドゲイン(再生をサポートするタンパク質を使う方法)
• 骨移植(失われた骨を補う処置)
など、症状に合わせて方法を選んでいます。
● 歯ぐきの形を整える治療や、骨の整形
ポケットが深すぎてケアしにくいときや、歯ぐきのかたちが極端に乱れている場合は、歯肉の切除や再形成を行うこともあります。
骨のかたちが複雑な場合には、少しだけ削って整える処置も選択肢の一つです(オステオプラスティ)。
◆ ステップ③:治療が終わったら、あとは“守る”段階へ
歯周病は、治療して終わりじゃないんです。
再発を防ぐための定期的なメンテナンスがすごく大事。
● 定期検診で、早めに変化に気づく
3〜6ヶ月に一度、歯ぐきの状態や歯周ポケットの深さなどをチェックします。
「最近調子いいから」と言わずに、ぜひ続けてくださいね。
● プロのクリーニング(PMTC)
どうしても歯ブラシでは取りきれない細かい汚れや**バイオフィルム(菌の膜)**は、専用の機械できれいにします。
● 生活習慣の見直しも忘れずに
以下に当てはまる方は、歯周病のリスクが高めです:
• タバコを吸う方
• 糖尿病などの持病がある方
• 食生活や睡眠のリズムが不規則な方
このような方には、より頻度の高いメンテナンスや、個別のアドバイスをご提案しています。
歯周病は、歯医者と一緒に取り組む病気です
私たちがいくら治療しても、ご自宅でのケアが疎かだと再発します。
逆に言えば、患者さんが前向きに取り組んでくださると、治療効果も長く続きます。
• 歯磨きのしかたに気を配る
• 通院を習慣にする
• 疑問があれば何でも相談する
それだけで、10年後、20年後も自分の歯で過ごせる可能性がぐっと高まります。
「気になった今」が、はじめどきです
歯周病は、「痛くないから大丈夫」と思っているうちに進行する病気です。
でも、早めに対処すれば進行は止められるし、歯を残せる可能性も高まります。
「最近、歯ぐきが腫れ気味かも」
「ちょっと出血があるけど、年齢のせい?」
そう思ったときこそ、一度チェックにいらしてください。
治療というよりも、**まずは“歯ぐきの健康診断”**のつもりで、お越しいただけたらと思います。
