
こんにちは。
「毎日しっかり歯を磨いているのに虫歯ができてしまいました。」
福岡市早良区有田・次郎丸エリアにある歯医者、「次郎丸デンタルクリニック」院長の木村健吾です。
9月5日、6日はお休みをいただいて、東京で睡眠時無呼吸のスペシャリスト
、Dr.Metzの来日公演を聴講しに東京へ行ってまいりました。
睡眠時無呼吸症候群と歯科治療|下顎前方移動装置を用いた睡眠歯科治療とは?
「いびきがうるさいと言われる」
「寝ている間に呼吸が止まっているらしい」
「朝起きても疲れが取れない」
このような症状がある場合、**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**が隠れている可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群は、単に「いびきの問題」と考えられがちですが、睡眠中に呼吸が繰り返し妨げられることで、日中の眠気や疲労感などにつながることがあります。
その治療では、CPAP(シーパップ)がよく知られています。
一方で、患者さんの状態によっては、歯科で作製する「下顎前方移動装置(MAD)」と呼ばれる口腔内装置が治療の選択肢になることをご存じでしょうか。


下顎前方移動装置は、その名前の通り、睡眠中に下顎を少し前方に移動させるための装置です。
なぜ下顎を前に出すのでしょうか。
睡眠中に舌や周囲の組織が気道側へ落ち込み、空気の通り道が狭くなると、いびきや無呼吸が起こりやすくなります。
下顎を適切な位置まで前方に移動させることで、舌などの位置にも変化が生じ、上気道が狭くなるのを抑えることを狙います。
つまり、
「歯を治すためのマウスピース」ではなく、「睡眠中の呼吸をサポートするための装置」
ということです。
睡眠歯科治療は30年以上の歴史がある
今回の講演では、
Dr. James E. Metz
による「下顎前方移動装置を用いた睡眠歯科治療 30年の歩み」という内容が紹介されていました。
睡眠歯科というと、最近になって始まった新しい分野のように感じる方もいるかもしれません。
しかし実際には、下顎を前方に移動させる口腔内装置については、長年にわたって研究と臨床応用が続けられてきました。
CPAPとマウスピース、どちらがいいの?
ここは非常に重要なポイントです。
「マウスピースのほうがCPAPより優れている」
という単純な話ではありません。
CPAPは、睡眠時無呼吸症候群に対して非常に有効性の高い治療方法です。
一方、口腔内装置は、
- CPAPがどうしても苦手
- マスクをつけて寝ることが難しい
- CPAP以外の治療方法を希望している
といった成人患者さんに対して、治療選択肢の一つとして検討されます。
歯科医師が関わる理由
睡眠時無呼吸症候群は「睡眠中の呼吸」の問題ですが、口腔内装置を使用する場合には歯科医師の役割があります。
口腔内装置は毎晩、歯に装着して使用します。
そのため、
- 歯や歯周組織への負担
- 噛み合わせの変化
- 顎関節への影響
- 装置の適合状態
- 下顎をどの程度前方へ移動させるか
などを確認しながら調整していく必要があります。
今回の「下顎前方移動装置を用いた睡眠歯科治療30年の歩み」という講演を通じて、睡眠歯科が決して新しい一時的な治療ではなく、長年の研究と臨床経験の積み重ねによって発展してきた分野であることを改めて感じました。
