こんにちは。
福岡市早良区有田・次郎丸エリアにある「次郎丸デンタルクリニック」院長の木村健吾です。
「歯の根の先が化膿しています」と先生から言われたことはありませんか？
いきなりそんな説明を受けると、驚いたり不安になったりする方が多いと思います。
- 「抜歯しなければならないの？」
- 「放っておいたらどうなるの？」
- 「治療は痛いのかな？」
今日は、こうした疑問に丁寧にお答えしながら、**根尖病巣（こんせんびょうそう）**と呼ばれる病気について解説します。
歯の痛みや「抜いた方がいいのかな」という不安を感じて、次郎丸周辺で歯科を探している方にも役立つ内容です。
なぜ「歯の根の先が化膿する」のか？
神経を取った歯でも、むし歯は再び起こることがあります。
むし歯があるということは、細菌による感染があるということです。
体の免疫は細菌をやっつけようと働きますが、細菌は歯の中という閉ざされた空間に潜んでいるため、免疫の力は十分に届きません。
その結果どうなるか。
自分の免疫反応の影響で、歯の根の先にある骨が少しずつ壊れていきます。これが「根の先が化膿している」と言われる状態です。
炎症が急性期になると膿が溜まり、顎の骨の中で風船のように膨らんでいきます。内圧が高まると激しい痛みを感じ、やがて膿は出口を求めて骨の薄い部分を突き破ります。
歯ぐきに「にきびの跡」のような膿の出口ができることがあり、これを**フィステル（瘻孔）**と呼びます。
放置するとどうなる？根尖病巣のリスク
根尖病巣は「痛みがなくなったから大丈夫」と自己判断で放置してしまう方もいます。しかし、それは非常に危険です。
- 歯を失うリスク 感染が広がると歯の根が支えられなくなり、抜歯が避けられなくなることがあります。
- 歯周病の進行 根の先の炎症が周囲の歯ぐきや骨に波及し、歯周病を悪化させることがあります。
- 隣の歯への影響 炎症が隣の歯に広がり、健康な歯まで巻き込まれる場合もあります。
- 全身への影響 細菌が血流に入り込むと、糖尿病や心疾患などの全身の病気に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。
つまり、症状が軽くても「歯の根の先が化膿しています」と言われたら、早めの対応が必要なのです。
こんな症状に注意！
根尖病巣の典型的な症状は以下の通りです。
- 噛むと歯が浮いたように痛い
- 歯ぐきに白いできものができ、膿が出る
- 冷たいものや熱いもので歯がしみる
- 慢性的な鈍い痛みが続く
- 歯がぐらついて動く
こうした症状があると「歯が痛い」「抜いた方がいいのかな」と不安になり、受診を考える方も多いものです。
根尖病巣の治療法とは？
治療の基本は、歯の中に入り込んだ細菌を取り除くことです。
治療のステップ
- 被せ物を外す 内部を確認するため、まずは被せ物を外します。
- むし歯・古い薬を取り除く 残っているむし歯や、過去に詰められた薬を取り除きます。
- 隠れた根管を清掃する 以前の治療で見つからなかった根管がある場合、その部分を丁寧に掃除します。
- CTでの確認 ここで強力なサポートをしてくれるのがCTです。 根管の複雑な形や病巣の広がりを立体的に把握でき、治療の成功率を高めることにつながります。
実際に、根の治療専門医でさえCTを用いることで約半数が治療方針を変更したという報告もあります。現在では、根の治療をより確実に進めるためにCTを活用するケースが非常に増えています。
「CT」が根管治療を変える
根の治療にCTを導入することで、以下のようなメリットがあります。
- 根管の数や形態を正確に把握できる
- 病巣の広がりを立体的に確認できる
- 治療方針を科学的根拠に基づいて立てられる
もちろんCT撮影は保険適応で行えます。（３割のご負担で約３３００円）
治療後に気をつけたいこと
根尖病巣の治療は、終わった後のケアもとても大切です。
- 歯みがきの徹底 治療した歯は再感染しやすいため、丁寧なブラッシングとフロスで清潔を保つことが重要です。
- 定期検診の受診 再発を防ぐためには、3〜6か月ごとの定期検診でレントゲンチェックを受けると安心です。
- 生活習慣の改善 糖質の多い食事や喫煙は、細菌感染や治癒の妨げになります。生活習慣の見直しも大切です。
治療は歯科医院と患者さんが一緒に取り組むもの。ご自宅でのケアが成功率を左右します。
当院が根管治療に力を入れる理由
私自身、研修医時代に根の治療を専門とする指導医のもとで学んだことがきっかけです。以来、この分野に特に時間をかけて勉強してきました。
勤務医になってからも、セミナーや勉強会に積極的に参加し、知識と技術を深めてきた結果、現在も根管治療は得意分野のひとつです。
ただし、根の再治療は難易度が高く、専門医が行っても成功率は最大で70%程度とされています。
だからこそ、当院では拡大鏡・CT・丁寧なカウンセリングを組み合わせ、少しでも成功率を高められるよう工夫をしています。
当院の特徴
次郎丸デンタルクリニックでは、患者さんが安心して通えるよう工夫をしています。
- 明るく清潔な院内：白とグレーを基調にした落ち着いた雰囲気
- バリアフリー設計：ベビーカーでもユニットまで入れる広い導線
- キッズスペース完備：小さなお子さん連れでも安心
- 院内土足OK：靴を脱がずにそのまま診療室へ
- 広めの駐車スペース：車の運転が苦手な方でも停めやすい
さらに、設備面ではCT・拡大鏡・エアフロー・オフィスホワイトニング・カウンセリングルームを完備。
「歯石を取ってほしい」「歯がしみるのが気になる」といった日常的なお悩みにも対応できる環境を整えています。
治療の流れ（一般的なケース）
- 初診・カウンセリング
- CT撮影やレントゲンでの精密検査
- 被せ物の除去・根管内の清掃
- 薬剤で消毒・充填
- 再び被せ物を装着
※症例によって回数や期間は異なります。
他の治療との関係性
根尖病巣の治療で歯を残すことが難しい場合、インプラントやセラミック補綴を検討することになります。
- インプラント：歯を失った部分に人工歯根を埋め込み、噛む力を取り戻す治療。
- セラミック補綴：感染を防ぎやすく、見た目も自然な被せ物。金属アレルギーの心配も少ない。
インプラントやセラミック補綴に限らず、ブリッジや入れ歯といった方法も含めて、患者さんに合った治療をご提案します。ケースによっては、あえて補綴を行わない方が良い場合もありますので、お口の写真や検査結果を見ながら一緒に相談して決めていきます。
よくある質問（FAQ）
Q. 治療は痛いですか？
A. 麻酔を使用するため、処置中の痛みはほとんどありません。
Q. 何回通院が必要ですか？
A. 感染の程度によりますが、数回〜数か月にわたる場合もあります。
Q. 抜歯になることもありますか？
A. 病変の大きさや歯が割れている場合は、抜歯を選択せざるを得ないこともあります。
Q. 治療費はどのくらいかかりますか？
A. 基本的には保険診療で行えます。CT撮影も保険適応です。ただし、被せ物をセラミックにする場合などは自費になります。
Q. 治療中に仕事や食事は大丈夫ですか？
A. 一般的には日常生活に大きな支障はありません。ただし、治療直後は強い噛みしめや硬い食べ物を避けると安心です。
Q. 再発することはありますか？
A. 完全に防ぐことは難しいですが、定期検診とセルフケアを続ければリスクは大きく下げられます。
まとめ
「歯の根の先が化膿しています」と言われたら、不安になるのは当然です。
しかし、正しい診断と適切な治療で歯を残せる可能性は十分あります。
「歯が痛くて不安」「この歯は抜かなければならないのかも」と感じている方。
次郎丸エリアで歯科を探している方は、どうぞ一度ご相談ください。
次郎丸デンタルクリニック
〒814-0033 福岡県福岡市早良区有田5丁目23−26