早良区有田の次郎丸デンタルクリニックの院長 木村 健吾です。
唾液が最近少なくなったと感じたことはありますか?
口腔乾燥症をドライマウスと言います。ドライマウスは年齢とともに増加し、65歳以上では30%以上にみられると報告されています。(引用文献-Amerogen AV, Veerman EC Saliva 2002)
加齢変化以外には、薬の副作用、過度のストレス、口呼吸、放射線治療、全身疾患たとえば自己免疫疾患であるシェーグレン症候群や重度糖尿病でもみられます。
この中で最も多いのは、薬の副作用と言われています。一般的な処方薬の80.5%が唾液減少の原因になるとされています。(引用文献-Smith RG, Burtner AP. OraI side-effects of the most frequently prescribed drugs.1994)
服用する薬剤の種類が多くなるほど、唾液減少のリスクは増えます。
では具体的に唾液が少なくなるとどういった自覚症状が起こるのでしょうか?この中でいくつあてはまるものがありますか?
例えば、「口臭がする気がする」、「口が乾く」、「話づらい」「食べ物が飲み込みにくい」「口の中が粘つく」などがあげられます。
(引用文献-日本口腔保険協会)
唾液が少なくなると、むし歯、歯周病のリスクがあがります。口臭、味覚障害、舌痛症へつながることもあります。
自分でできる予防法には、「こまめに水分補給をする」、「よく噛んで食事をする」、「唾液腺マッサージを行う」、「舌を回す」などが効果があるとされています。
(引用文献-公益社団法人 日本歯科医師会)
人工唾液スプレー、唾液分泌のための内服薬をかかりつけ医に処方してもらうこともあります。
他に、キシリトールを使用したあめやタブレット、ガムが効果があるとされています。
このとき、通常のあめは控えましょう。キシリトールはバイオフィルム中のpHの低下がほとんど起こらないうえ、甘みによる味覚刺激で唾液分泌を促してくれます。
具体的な方法について話させていただいたり、かかりつけ医に対診状を書かせてもらうこともありますので、お困りの方はご相談ください。
以上最後までお読みいただきありがとうございました。