CTの有効性①〜レントゲンの各種違い、安全性〜

2024/10/12 【口腔外科, 根の治療, 歯周病, 院内設備

早良区有田、次郎丸デンタルクリニック院長の木村健吾です。

当院では歯科用CTを導入しております。

CTは今現在、全国の歯科医院での導入率は10%~20%だそうです。

歯科医院で導入されている機材の中では最も高額な部類に入ります。

私がCTをそれでも導入を決意したのは、以前勤めていたクリニックで使用していて、診査・診断のためには絶対に必要不可欠なものであると痛感する場面がかなり多かったからです。

今回はそんなCTについて話しようと思います。

(1)CTとレントゲンの違い

<レントゲン>

初診の方には、お口全体を一枚のレントゲン写真で把握できる「パノラマ」を撮らせていただくことが多いです。パノラマは顎関節や上顎洞、歯を支える顎の骨、歯の状態を確認できます。これにより歯周病の進行具合や歯の根の状態を把握することが出来ます。

デンタルは、パノラマよりもより詳細な情報を部分的に得ることが出来ます。

虫歯や根尖病巣、修復物の適合、歯石の残存をチェックするのに役立ちます。

<CT>

パノラマ、デンタルでは二次元的な情報しかわかりません。顎の骨の厚みや神経の通る管までの距離などの情報は得られません。

しかし、CTは三次元的な情報を得ることが出来ます。安心、安全に予知性を持って親知らずの抜歯やインプラントを代表するような処置を行うために必要不可欠なものです。

(2)CTって安全なの?

歯科用レントゲン、CTと他の放射線の被曝量を比較したデータが放射線医学研究所より発表されています。

生体が受ける放射線による影響の度合いを表す単位をシーベルト(Sv)といいます。日本で生活するなかで自然に受ける放射線量は年間1.5ミリシーベルト(Sv)です。通常、外で生活するだけでも、日光や大気、地面や食物など身の回りからも放射線を受けています。年間100ミリシーベルト(Sv)以下では、放射線被曝によるガンの過剰発生はみられません。

他には東京・ニューヨーク間を飛行機で1往復した場合の放射線量は0.2ミリシーベルト(Sv)、医科用の全身のCT検査は1回6.9ミリシーベルト(Sv)と報告されています。

歯科ではCTが0.1ミリシーベルト(Sv)、パノラマ撮影1回の放射線量が0.03ミリシーベルト(Sv)、デンタルが0.01ミリシーベルト(Sv)と報告されています。

歯科医院で受ける放射線量は通常かなり少なく、得られるメリットが大きいため安心して受診していただければと思います。

(引用文献-独立行政法人 放射線医学総合研究所より改編)

ALARAの原則(As Low As Reasonably Achievableの原則)

被曝を伴う行為はそれによってもたらされる利益が被曝のリスクを上回る場合にのみ認められ、可能な限り少ない放射線量で最大の効果を得られるようにするための注意を払わらなければならない

(引用文献-AAE and AAMOR Joint position Statement Use of CBCT in Endodontics 2015)

最後までお読みいただきありがとうございました。次回に続きます。

 
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